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節湯水栓の変更で省エネ計算やり直し?ルートCの注意点と基礎知識を解説

節湯水栓の変更だけで再計算!? 省エネ計算ルートCの意外な落とし穴

こんにちは、齋藤建築設計事務所です。

今回は、省エネ設計において意外と見落とされがちな「節湯水栓の変更」についてお話しします。
「たかが水栓でしょ?」と思って変更したら、まさかの省エネ計算やり直し…なんてことも。
そう、ルートCの扉は意外と軽く開いてしまうのです。


そもそも「軽微な変更ルートC」って?

省エネ計算には、設計変更があった場合の処理方法として「変更ルートA・B・C」があります。

その中のルートCは、「変更があるけど、再計算すれば省エネ基準に適合することが明らかな場合」に使われます。
が、これが結構やっかい。

例えば…

  • 冷暖房なし → エアコン追加(区分「は」)

  • 節湯水栓A1 → C1へ変更

性能が“良くなってる”変更なのに、なぜかルートC行きになることがあります。(このケースだと台所か)
意味不明に見えますが、制度上そうなっているんです。
まさに「節湯水栓の沼」……気をつけましょう。


【おさらい】節湯水栓の種類と違い

「節湯水栓」とは、お湯の無駄使いを防いで光熱費やCO2を削減する、省エネ性能を持った水栓のことです。
日本バルブ工業会による基準で、次の3種類に分類されます:

種類 機構の概要 対象部位 削減率(従来比)
A1 手元止水機構(シャワーなどに一時止水ボタン) 台所水栓 9%削減
浴室シャワー水栓 20%削減
B1 小流量吐水機構(快適な節水シャワーヘッド) 浴室シャワー水栓 15%削減
C1 水優先吐水機構(中央位置で「水」のみ吐水) 台所水栓 30%削減
洗面水栓 30%削減

【複合タイプの削減率】

  • A1 + B1(浴室シャワー):32%削減

  • A1 + C1(台所水栓):36%削減

🛑 注意:2バルブの湯水混合水栓は、節湯水栓の対象外です。理由は、「温度調整がアナログで無駄が多いから」。つまり、レトロな水栓は環境にやさしくないってことです。


節湯水栓のメリットは意外と大きい

導入コストが大きくなくても、長期的なメリットは大きいんです。

💰 家計の節約

タッチレス式の節湯水栓に交換するだけで、年間約7,600円の節約が見込まれるという試算も。
(試算条件:4人世帯、戸建て、120㎡、東京)

🌍 環境への貢献

給湯エネルギーの削減 = CO2削減 に直結。小さなエコが集まると大きな違いに。

🎁 補助金・優遇制度の対象にも

  • 「こどもみらい住宅支援事業」

  • 「住宅エコポイント」など

対象製品は、カタログやメーカーサイトで**「節湯マーク」**が目印。
証明書・承認図の取得で、適合確認もできます。


まとめ:水栓一つでも再計算。なめてはいけない省エネ基準。

節湯水栓の変更は、「たかが水栓」と甘く見ると痛い目を見ます。
たとえ性能アップでも、省エネ計算の手続きが必要になることがあります。

設計段階から水栓の種類や位置を意識しておくことが、後々のトラブル回避に繋がります。


「え、水栓ってそんなに重要だったの?」と感じたあなた。
その驚きこそが、省エネ設計の第一歩かもしれません。

参考: 一般社団法人日本バルブ工業会 節湯水栓A1/B1/C1の定義