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構造計算ソフトにエコーデータは必要か?|HOUSE-ST1で考える設計実務

構造計算ソフトに「エコーデータ」は必要か?

― HOUSE-ST1から見える、構造設計ソフトの進化 ―

※本記事は人工知能のサポートを受けて作成したものです。
重要な内容につきましては、各自で資料や公式情報をご確認くださいますようお願いいたします。


構造の先生に教えていただいたkozoStationというサイトがあります。
構造設計や構造計算ソフトを「レンタル」できるサービスで、株式会社構造システム(1級建築士事務所)が運営しています。

その中で、まずは木造住宅向け構造計算ソフト HOUSE-ST1 の体験版をインストールし、マニュアルを読んでいたところ、オンラインサポートのFAQに少し気になる記述を見つけました。

Q:入力データのエコーデータを出力できますか
A:HOUSE-ST1には、エコーデータはありません。

「エコーデータとは何だろうか?」

今回の記事は、この疑問から始まります。


エコーデータとは何か

エコーデータ(Echo Data)とは、簡単に言うと
**「入力した数値や条件を、そのままの形で一覧出力したデータ」**のことを指します。

かつての構造計算ソフトでは、数値を一行ずつコードのように入力して建物を定義していました。

C1 600 600 12-D25

といった、数字と記号の羅列が柱1本を表す世界です。

この時代、入力ミスは致命的でした。
数値が一つずれるだけで、建物全体の計算結果が大きく変わってしまいます。
そのため、「自分が何を入力したのか」を確認する目的で、
入力内容をそのまま復唱(エコー)させる一覧表=エコーデータが不可欠だったのです。


なぜ HOUSE-ST1 にはエコーデータがないのか

結論から言えば、必要がないからです。

HOUSE-ST1は、数値を文字列として打ち込むソフトではありません。
GUI(画面操作)によって柱・梁・壁を配置し、
平面図・軸組図・3D表示を確認しながら構造モデルを作成します。

入力した内容は、常に「図」として可視化されています。

つまり、

  • 入力

  • 確認

  • 修正

が、同じ画面上で完結します。

「テキストで再表示して確認する」という、
エコーデータを前提としたチェック方法そのものが、
現在の設計思想では不要になっているのです。


エコーデータが必須だった時代

1970年代から1990年代にかけて、構造計算は大型汎用機やMS-DOSの世界で行われていました。

BUILD.一貫、SSシリーズ、BUSシリーズなど、
現在も名前が残るソフトの多くは、この時代の流れを汲んでいます。

当時の構造計算は、

  • 数値入力

  • 一括実行

  • 結果確認

という「一発勝負」に近いものでした。
だからこそ、エコーデータは命綱のような存在だったのです。


2007年法改正とソフトの淘汰

2007年の建築基準法改正(いわゆる姉歯事件後の改正)により、
構造計算の審査は一気に厳格化されました。

この流れの中で、

  • 計算根拠が不透明な自作プログラム

  • 法改正に対応できない古い文字ベースのソフト

は、急速に姿を消していきました。

一方で、HOUSE-ST1のように
住宅規模に特化し、入力と結果が視覚的につながるソフトは、
実務の中で標準的な存在となっていきます。


HOUSE-ST1は「大臣認定」ではないが問題はない

HOUSE-ST1は大臣認定プログラムではありません。
しかし、木造住宅(3階建て以下、延べ面積500㎡以下など)では、
そもそも構造計算適合性判定の対象外となるケースがほとんどです。

そのため、

  • 法令対応

  • 審査実績

  • 実務での普及率

という点において、実務上困る場面はほぼありません。

住宅設計に必要な部分を、過不足なく押さえた道具
それが HOUSE-ST1 だと感じます。


付録:ビル用構造計算ソフトの世界

参考として触れておくと、
RC造やS造のビル設計では、

  • 構造モデラー

  • NBUS7(大臣認定プログラム)

  • 基礎計算

といった、フル一貫計算システムが用いられます。

こちらは完全に「大型建築向け」の世界であり、
住宅用ソフトとは思想も価格も大きく異なります。

HOUSE-ST1を触った後にこの世界を見ると、
なぜ住宅用ソフトにエコーデータが不要なのかが、
より明確に理解できるようになります。


おわりに

「エコーデータは出力できますか?」という一見地味な質問は、
構造計算ソフトが歩んできた歴史そのものを映しています。

HOUSE-ST1にエコーデータがないのは、
機能が足りないからではありません。
時代が一段先に進んだからです。

体験版を触りながら、そんなことを感じました。