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宮城県の盛土規制法を設計実務でどう確認するか|宅地造成等規制区域と特定盛土等規制区域のポイント

※画像はイメージです。実際の区域図とは関係ありませんのでご注意願います。

宅地造成等工事規制区域・特定盛土等規制区域の指定が、ほぼ全域に

以前は「宅地造成等工事規制区域」はごく一部の地域に設定されており、
実務で遭遇することは「たまに」程度だった印象があります。

しかし、度重なる土砂災害事故を受け、令和7年5月23日から
ここ**宮城県**においても、

  • 宅地造成等工事規制区域
  • 特定盛土等規制区域

が、ほぼ全域に指定される状況となっています。

県ホームページに掲載されている区域図では、

  • 赤:宅地造成等工事規制区域
  • 緑:特定盛土等規制区域

で表示されており、これを見るだけでも、宮城県のほとんど全域が指定されていることが分かります。→規制区域図


県作成パンフレットはまず一読しておきたい資料

「盛土規制法に基づく規制区域の指定について」という県作成のパンフレットは、
制度の概要が非常に分かりやすくまとめられており、

手早く盛土規制法の内容を把握したいときに便利な資料です。


許可の対象となる盛土等の規模(宅地造成等規制区域)

宅地造成等規制区域において、許可が必要となる主なケースは、次のとおりです。

崖を生じるもの

  • ① 盛土で高さが 1mを超える崖
  • ② 切土で高さが 2mを超える崖
  • ③ 切土と盛り土を同時に行い、高さが 2mを超える崖

ここでいう「崖」とは、

30度を超える角度で、硬岩盤以外のもの

とされています。

崖を生じなくても対象となるもの

  • ④ 盛り土で高さが 2mを超えるもの
  • ⑤ 盛り土または切土を行う土地の面積が 500㎡を超えるもの

特定盛土等規制区域の場合

特定盛土等規制区域では、上記基準が次のように引き上げられます。

  • ① 1m → 2m
  • ② 2m → 5m
  • ③ 2m → 5m
  • ④ 2m → 5m
  • ⑤ 500㎡ → 3,000㎡

となります。しかし「特定盛土等規制区域」でも

宅地造成等規制区域で許可対象になる規模の場合、届出が必要となります。

この点は注意が必要です。


建築確認申請時の「適合性を証する書面」で必ず確認

建築確認申請では、

「適合性を証する書面」

の提出が義務付けられており、

宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項等の規定に適合していることを証する書面

によって、

そもそも許可や届出の対象となる行為ではないか

を確認することになります。→宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項等の規定に適合していることを証する書面


一時的な土砂の堆積も許可対象

切土・盛土などの「土地の区画形質の変更」はもちろんのこと、
一時的な土砂の堆積も許可の対象となります。

たとえば、

土砂のストックヤードにおける仮置き等についても、

  • ⑥ 最大時の堆積高さが 2m超 かつ 面積が300㎡超
  • ⑦ 最大時の堆積面積が 500㎡超

の場合は、許可対象です。

なお、特定盛土等規制区域の場合は、

  • ⑥ 高さ 2m → 5m、面積 300㎡ → 1,500㎡
  • ⑦ 面積 500㎡ → 3,000㎡

に読み替えられます。


既存制度と用語も重なり、より注意が必要に

宅地造成等規制法や、いわゆる「がけ条例」などで聞き覚えのある用語――

  • 土地の区画形質の変更

といった言葉も多く重なっています。

今後は、

敷地を少しでもいじる計画の場合には、盛土規制法の対象になるかどうかを必ず確認することが重要

になってきます。

設計実務においても、これまで以上に初期段階での法規チェックが欠かせません。