四号特例が縮小されたとはいえ、いまだ廃止には至っていない現況です。
今回は、平屋建て200㎡・四号特例ありの案件で「凍結深度」について指摘を受けた際の違和感について書いてみます。
まず前提として、宮城県内の特定行政庁は凍結深度を定めていません。
いずれも共通して、
凍結深度は地域条件により大きく変動するため、数値や算定式を定めていない
設計者が敷地の状況を踏まえて判断すること
としています。
これは「垂直積雪量」や「基準風速」とは明確に扱いが異なります。
つまり、行政側が数値責任を持たない項目です。
ここで問題になるのが実務です。
仮に審査側から
「この深さでは不足です」
と指摘されたとしても、
について、明文化された根拠は存在しません。
さらに言えば、
「その設定根拠を示せ」
と言われた場合でも、
その根拠を審査する基準自体が存在していないという構造になります。
ここに、設計者としての強い違和感があります。
完全にフリーハンドかと言えば、そうではありません。
目安として使われるのが、道路分野などの資料です。
これらは標高差や地域差を読むのに有効で、実務上は一定の指針になります。
ただし重要なのは、これらも建築基準としての拘束力はないという点です。
経験則だけではなく、理論式も存在します。
代表的なのが、凍結指数を用いた以下の式です。
Z=C√
例えば凍結指数が100の場合、
となります。
つまり、数式的裏付けは存在するわけです。
ここが本質です。
この計算を提示したとして、
これらを審査側が検証できるのか?
という問題が残ります。
構造計算のような共通基準がない以上、
これは極めてグレーな領域です。
興味深いのは、道路分野の設計思想です。
凍結深度に対して、次のような考え方が採られます。
D=Z×P
つまり、
凍結深度すべてを剛構造で受ける必要はない
とされています。
告示(平成12年建設省告示第1347号)でも、
凍結深度より深くする
または有効な対策を講ずる
とされています。
ここでいう「有効な対策」として、砕石層は極めて合理的です。
理由は3つあります。
砕石は粒径が大きく、毛細管現象が起きないため、水が上がってこない。
水が滞留しないため、「凍る材料」自体が存在しにくい。
凍りやすい土を、凍りにくい材料に置き換えるという土木的手法。
※あくまで躯体までという見解もあるので確認を要します
例えば、
このような構成でも、
「凍結深度+有効対策」
として説明可能です。
特に重要なのは転圧で、
これが不十分だと性能は大きく低下します。
凍結深度は、
という、非常に曖昧な位置にあります。
その中で設計者は、
をもとに判断するしかありません。
凍結深度の設定は、単なる「数字合わせ」ではなく、
地盤・水・温度という複合現象への設計判断です。
最終的には、
設計者自身の責任において設定し、
必要に応じて審査機関と協議することが現実的な対応となります。